日曜日、秋晴れ…といいたいところですが、最高気温8度。
朝は霜がおりたので、冬の重装備で訪れた、北海の海岸。
立ち並ぶBeach Huts(海の家?)も、皆店じまい。
ここは、ロンドンの南東、カンタベリーの近くにある、
海辺の漁港町、ウィスタブル(Whistable)。
小さいながら「牡蠣の町」として知られ、観光客でにぎわいます。
今回出掛けた目的のひとつは、
この町でも最も有名なレストラン「
ウィーラース」。
見かけはかなりキッチュですが、
英国屈指のシーフード・レストランなのです。
1856年創業当初は、おそらく、
漁師が、その朝採れた牡蠣を売る店だったのでしょう。
店に入ると、今もシーフードを売るカウンターがあり、
テイクアウトをしたり、生ガキをつまむことができます。
その奥、ビクトリア時代式に「パーラー」と呼ばれる小さな部屋が、
全部で12席、ちいさなレストランになっています。
ランチやディナーはいつも満席で、ぎゅうぎゅう詰め。
私達の予約は、午後の3時半だったのですが、
それでも他に2カップルほど入ってきたし、5時以降はまた満席。
大変な人気なのでした。
早速、プレ前菜はオイスター。
手前がロック・オイスターという、一般的なもの。
後ろの丸いのが、地元で採れる季節限定のネイティブ・オイスター。
どれも、その日の朝とれたものです。
前菜。ホタテ貝のバター焼、アップルソース仕立て。
向こう側は、ブルが頼んだクラブケーキ(カニコロッケのようなもの)。
メインは、やはり地元でとれたロブスター。
ジョン・ドーリー(マトウダイ)のグリル。
デザートは、チョコレートのスフレ。
ヘーゼルナッツのアイスクリーム添え。
食べる前に、スフレに穴をあけて、
右手にあるチョコレート・トリュフを中に落として、
とろりとしたところを食べます。
ブルが頼んだのは、ブレッド&バタープディング。
カスタードに、パン生地とバターをまぜ、
上がキャラメル状になるまで焼いた、英国らしいお菓子。
以上、大満足な遅めのランチ。
この店は、親から家業をひきついだデリラおばさんと、
30代の気鋭シェフ、マークが経営しています。
若い頃のおばさんの写真も飾ってありますが、
有名シェフの買い取りやチェーン店化の誘いも全て断り、
独自の道を貫く、元気なイギリス魂のおばちゃんなのです。
昔ながらの店構えなので、いろいろ不便もあります。
トイレは、いったん外にでなくては行かれないし、
お酒を売るライセンスは持っていないので、ワインは持ち込み。
それも、古き英国の味わい、個性のひとつ。
高級店のスノッブさは微塵もなく、海辺帰りの家族連れも歓迎だし、
ロンドンのレストランに比べ、コストパフォーマンスもいい。
がんばれ、おばちゃん!な店です。