ブログ上はフランスの休暇モードですが、
現実はとっくに雨のロンドンの日常に戻っています。
ブルのふたりの息子達は、目下試験の真っ最中。
次男君は17歳、日本でいう高校生。
今年と来年受ける全国一斉試験(Aレベル)の結果次第で、
どこの大学に入れるかが決まります。
歴史などは小論文方式の試験なので、
夕食時も、「フランス革命はなぜ起こったか」なんてハイブローな話題。
あら~なんだか大人っぽくなってる気がします。
やせっぽちの体も、ちょっとがっちりしてきたし、みるみる成長するお年頃。
しかし、食の面ではまだお子ちゃま。
子供の頃から「もっと食べなさい!」「野菜も!」と、
親が苦労したタイプ。
食に興味深々で大食漢の
父や兄と正反対。
今も、シリアルとベーグル、お菓子だけで生きていけます。
そんな彼が人生15年目に、
私と同居になったのはお気の毒な出来事。
食卓に並ぶ、へんてこりんな調味料や、得体の知れない食物。
当初は「…これ、何?」とつついてみたり、こっそりお父さんのお皿に移したり。
こちらも気を使って、まずは食べやすいようにと、
照り焼きチキンやカレーなど、なじみやすいメニューから入り、
炊き込みご飯や豚汁など、少しずつ許容範囲を広げました。
食べず嫌いなだけなので、一度勇気をもって試せば、
そうめんとか、コンニャクさえも大丈夫に。
しかし、どうしても攻略できないのが「豆腐」です。
そして、それには思いがけない理由があったのです。
私は豆腐が大好きなので、次男君にも好きになってもらおうと
(というより、気兼ねなく食べれるようになりたいと)
次男君向けに、さまざまにアレンジ。
最近試してみたのは、「豆腐の簡単グラタン」。
豆腐に醤油マヨネーズを塗り、ブロッコリーなどと一緒に、
チーズを乗せてオーブンで焼くだけ。
マヨネーズもチーズも大好きだし、見た目はグラタンだし、これなら大丈夫!
しかし。
「これ、何?」と疑心暗鬼なまなざし。
「ん?グラタン」「何が入ってるの?」
「えっと、チーズと…」「…もしかしてトーフじゃないの?」
ううう、やっぱりバレたか。作戦失敗。
私は落胆の涙をこらえて、「どうして豆腐が嫌いなの?」
すると彼は私の目をまっすぐ見て言いました。
「子供の頃、恐怖のトーフマンを見て、トラウマになったから。」
え。トーフマンのトラウマ?
これイギリスのアニメか何かか?と
インターネットで調べたけれど、
それらしきものは見つからず。
父や長男君にも聞いてみたけど、
知らないとのこと。
いったい何者なんだ、トーフマン。
幼い次男君に何をしたんだ。
恐ろしい呪いか、心の傷か…
それとも豆腐好きの私を気遣っての、
出まかせの言い訳か…
まだ真相解明できていません。